小泉純一郎という男

musicaparadiso2005-08-10

さて、郵政民営化法案が参議院で反対多数になり、小泉首相衆議院を解散しました。今日、仕事先に向かう途中、永田町を通ったのですが、クーラーの効き過ぎた車の中から垣間見えたのは、選挙に向けて多くの衆議院議員が地元に帰ってしまった静けさと、想定外の選挙で右往左往する官僚の姿でした。そして議員会館国土交通省などを通り過ぎて目に入ったのがこの首相官邸。一面ガラスばり建築の総理大臣の住居は小泉首相そのものだと思います。

政治音痴な私なのでいい加減なことを言いますが、私たちが小泉さんに期待したものは何だったのでしょうか。それは、派閥や既得権を必死に守ろうとする旧態依然とした政治を改革してくれることだと思います。この人は今までの政治家と違い、特定の利害関係にこだわって、一部の人たちにだけが得をするような意思決定をしないんじゃないか、そうすれば税金の無駄遣いも減り、財政状況も好転し、景気も回復し経済も上向きになって株価も上がり雇用も増えるのでは・・・

そんな期待に後押しされて総理大臣になった小泉さんですが、たったひとつ、小泉さんの業績をあげるとするなら「自分の意見を曲げない」ということだと思います。これだけは失って欲しくない(笑)。掲げた公約の多くを実現することもなく、韓国、中国との関係も自ら悪化させていても、主張を曲げない姿勢は決してスマートではないけど、私は非常に惹かれるものがあります。

田中真紀子に推され、派閥の後押しなしに3度目の挑戦で総理大臣になった小泉さんには、確かに今までの政治家にはない行動力と期待感があったと思います。闇に葬られ続けてきた北朝鮮拉致被害者5人の帰国を実現したのは彼の真骨頂とも言うべき出来事でした。今回の郵政民営化は彼が郵政大臣の頃から主張してきた、いわば小泉のアイデンティティとも言うべきもので、今回のように解散をちらつかせる方法に批判が集中しようとも、あくまで信念を曲げなかった姿勢は評価すべきものだと私は思います。